高血圧とは

血圧が正常の範囲を超えて高い状態にあることを高血圧と言います。

そもそも血圧とは、心臓が血管に血液を送り出す際に血管壁にかかる圧力のことで、計測する際は心臓が収縮して血液を送り出す収縮期血圧(最高血圧)と心臓が拡張した状態の拡張期血圧(最低血圧)の両方を測定します。

日本高血圧学会によると、外来時の血圧測定で収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧の診断基準としていますが、ただ1度の計測だけで診断をつけることはありません

リラックスした状態で何度か血圧測定をし、それでも正常の数値を超えていたら高血圧症と診断されるようになります。

ちなみに収縮期血圧が130~139mmHg、拡張期血圧が85~89 mmHgの範囲内にある方は、高血圧予備軍と診断されますが、この場合も治療や予防が必要なこともあります。

血圧を測定して、これらの数値が繰り返されるという場合は、一度ご相談ください。

高血圧の症状と恐ろしい合併症

高血圧の主な症状はほぼありません。

そのため、多くの患者様は病状を進行させてしまうわけですが、その間も高血圧によって心臓から高い負荷をかけて血管へ血液が送られているので、血管壁はダメージを受け続けており、やがて動脈硬化を引き起こし、血管内部が狭くなるなどして合併症(脳卒中、心臓病、腎臓病 など)を発症するようになるのです。

脂質異常症とは

血液中に溶けている脂質には、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸があります。
そのうち悪玉コレステロール等の数値が高い状態や善玉コレステロール等の数値が低すぎる状態を「脂質異常症」といいます。

脂質異常症になると動脈硬化を招きやすくなり、そのまま放置が続けばやがて合併症(脳卒中、心筋梗塞、狭心症、腎臓病、閉塞性動脈硬化症 など)を引き起こすようになります。

これらはかつて高脂血症と呼ばれていました。
その後、HDL(善玉)コレステロールが少ない状態も動脈硬化を起こしやすいということが判明すると、現在の疾患名である「脂質異常症」と呼ばれるようになりました。

過剰なコレステロールなどが
病気を招く

そもそもコレステロールは、ホルモンや胆汁酸の材料になったり、脂肪の吸収を助けるなどの働きがあり、トリグリセライドもエネルギー源としての役割があるなど、身体にとって欠かせないものです。
ただ、過食・偏食、運動不足、肥満など、不摂生な生活習慣を続けていくことでこれらは過剰に増えるようになります。

すると血管内でコレステロールなどを蓄積させるようになって、やがて血流を悪くさせる、血管内を詰まらせるなどして動脈硬化を招くようになるのです。
また自覚症状がほぼ現れないのも特徴なので、病状を進行させやすく、気づいた時には脳卒中や心筋梗塞などの合併症を発症していたというケースも少なくありません。

そのため脂質異常症も早期発見、早期治療が大切なわけですが、自覚症状がなくても日頃から定期的に健康診断(血液検査)を行うことで、発症の有無を確認することはできます。具体的な診断基準とされる数値は次の通りです。

  • LDLコレステロール値≧140mg/dL(高LDLコレステロール血症)
  • 中性脂肪≧150mg/dL(高トリグリセライド血症)
  • HDLコレステロール値<40mg/dL(低HDLコレステロール血症)

コレステロール値や中性脂肪の数値が高い、もしくは医師からそのような指摘を受けたという方は一度ご相談ください。